図10. 拡散に要する時間とその障害
り使っても動脈血の酸素が上がってきてくれません。しかし一方、肺胞低換気の人だと、酸素を少し上げたとしても二酸化炭素を上げてしまうということがあって、このような人には高い流量(高い濃度といってもよい)の酸素吸入は使えないことになります。それにしても、0.5-1l/分くらいの流量でもすむのは、ひとつにはそれでもある程度は動脈血酸素分圧が上がってきてくれるのと低いPao2に慣れていること、またPao2が急に上昇するのは危険だというように理解してください。
ですから、酸素吸入というのは、大ざっぱにいって、肺気腫とか慢性の喘息の人では低流量の0.5〜1l/分を使って動脈血の酸素分圧を少し上げていけばよいのですが、たとえば肺線維症や、間質性肺炎とかARDS(成人の呼吸窮迫症候群)の場合には、拡散が非常に障害されて
前ページ 目次へ 次ページ
|
|